DESIGN FOR THEATERGOING
乾いた空気が纏わりつく、正しさの季節で。
朝日ケ丘には、新たに建造された高速道路が敷かれている。
街を縦断するように伸びる道。
そこに併設されたサービスエリアが、現在の街の主産業となった。
小山青子は、久しぶりにこの街に帰ってきた。
そこで姪の加絵と出会う。
彼女は巷で“させ子”と呼ばれており、誰とでも寝る女性として有名だった。
小綺麗に広がっていく街並みと、昔と変わらず閉じた人々。
私たちは過去を清算できないまま、
触れるもの全てがどんどんコーティングされ、
生まれ変わっていく。