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「3月21日 希望の丘」と書かれた葉書を手に、リコ(41)はかつて暮らした街角の変わり果てた景色を前に立ち尽くしていた。
その前を、大きなリュックを背負った女学生・マコ(15)が辺りを窺いながら通り過ぎようとした時、「合言葉は?」と、声がする。
声の主はタク(18)。後ろに仲間らしき者たちもいる。
合言葉が答えられないリコは、怪しい奴と捕らえられる。
葉書を見せ、希望の丘に行きたいだけだと告げるが、木箱に入れられてしまう。
自分も少女時代に憧れた甘くて怖い「家出」という言葉に大人のリコはどう向き合えば良いのだろう・・・