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世田谷パブリックシアターでは、芸術監督・野村萬斎の代表作『マクベス』(10年初演)や、川村毅作、白井晃演出の『4 four』(12年)など、リーディング形式での試演を通して、本公演の上演へ発展させるという試みを行ってきました。
そして今回は、来年、世田谷パブリックシアター開場20周年を記念して、野村萬斎の演出・出演で上演を予定している『子午線の祀り』を取り上げることになりました。
『平家物語』に題材をとり、日本の演劇史上に確たる叙事詩劇として燦然と輝く木下順二の傑作『子午線の祀り』の初演は今を遡ること37年前の1979年。6回目の上演となった1999年の新国立劇場公演、その後2004年の世田谷パブリックシアター公演では共に野村萬斎が平知盛をつとめました。そして来年の公演では満を持して萬斎自ら演出にも挑むことに。
10月の戯曲リーディングでは、独誦から複数の俳優による合誦を組み合わせつつ朗読する「群読」シーンを中心に名場面を抜粋して、そのエッセンスをお届けします。萬斎自身とりわけ思い入れの深い本作にあらためて向き合い、来年の本公演へつなげるための新たな発見と深化を目指します。