DESIGN FOR THEATERGOING
「関西の女性の化粧は基本的に派手で、東京はナチュラルメイク。この傾向は、歴史を遡っても随分前から変わらない」という話がある。
男女ともに、自分をよく見せるため、また欠点を隠すために、化粧やファッションを工夫したり、あるいは肩書やスキルを身につけたりすることで、自らを「飾」る。この「飾」という漢字は、熟語化されると「装飾」「粉飾」「虚飾」、或いは「故郷に錦を飾る」と意味が様々になる。また、「飾」ることは演劇の大きな要素でもある。
本プロジェクトでは、“飾”というテーマを通して、社会が飾りつけの背後になにがあるのかを探る。特に、努力クラブは京都が近年「京都らしさ」をデフォルメしたものに溢れていることに強い危機感を抱いている。上演だけでなく、アーティストやアートマネージャーを巻き込んだディスカッションやリサーチを綿密に行い、「人間の本来の姿とはなにか」を追究した作品を提示することは、社会で生きる人々にとっても強い示唆を与えるものになると考えている。