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世界中で愛されている児童文学書「Tschick」(邦題「14歳、ぼくらの疾走:チックとマイク」作:ヴォルフガング・ヘルンドルフ)を舞台化した『チック』は2011年の初演から本国ドイツで今もなお上演を重ねる話題作です。14歳の少年の目を通して描かれる世界は、等身大の思春期の悩みだけでなく、現代社会の光と影までも鮮やかに映し出し、多くの反響を呼んでいます。
本邦初演となる今回、演出を務めるのは世田谷パブリックシアター初登場となる、ドイツ・ハンブルク出身の注目の演出家・小山ゆうな。長年上演を切望してきたこの作品で自ら翻訳も手掛けます。小山は本作を「14歳という良い事も悪い事もビビットに感じられる時期の少年達を通して、社会の一般常識やルールがいかに、その枠から外れてしまった者にとって残酷か、本当に大切な事を見失わせる可能性を秘めているかを描いた作品」と捉えます。
そしてキャスト陣には魅力的な面々がそろいました。ドイツ版でもあえて大人の俳優が演じたように、思春期真っただ中の“14歳”の少年、少女役を演じるのは、その時代を少し前に通り過ぎてきた柄本時生、篠山輝信、土井ケイトというフレッシュで個性豊かな3人。彼らを取り巻く様々な“大人”を次々と演じ分けるのは実力派の大鷹明良とあめくみちこ。
懐かしくも胸が痛く熱くなるようなひと夏の冒険物語が、シアタートラムの空間いっぱいに広がります。青春真っただ中の方にも、そしてその時代を駆け抜けてきた大人の方たちにもぜひご覧いただきたい作品です。
[ play ]
- name
- チック
- period
- 2017年08月13日 - 2017年08月27日
- theater
- シアタートラム
- location
- 三軒茶屋